実家じまいノート

遺品整理を自分でやる手順と費用
捨てる前に探すもの13点チェックリスト

最終更新:2026年10月4日

遺品整理は、家族が自分でやることもできます。業者に頼むより費用はずっと少なく済みます。ただし、始める前にひとつだけ確認してください。相続放棄をするかもしれないなら、遺品を処分してはいけません。

相続放棄を考えているなら、まだ捨てない

民法921条は、相続人が「相続財産の全部又は一部を処分したとき」は、相続を承認したものとみなすと定めています(法定単純承認)。こうなると、あとから相続放棄ができなくなるおそれがあります。

相続放棄は、相続の開始を知ったときから3か月以内に家庭裁判所に申し立てます。借金があるかもしれない、まだ判断がつかない、という場合は、家の中の物を売ったり捨てたりする前に、弁護士・司法書士に相談してください。期間内に判断できないときは、家庭裁判所に期間の延長を申し立てることもできます。

出典:e-Gov法令検索「民法」第921条/裁判所「相続の放棄の申述」

捨てる前に探すもの13点

遺品整理でいちばん取り返しがつかないのは、必要な書類を、ほかの物と一緒に捨ててしまうことです。片付けを始める前に、下の13点を探してください。見つけたらチェックを入れます。見つからないときの調べ方も書いてあります。

13点中 0点 確認済み

チェックの状態は、このブラウザの中にだけ保存されます。外部には送信されません。

自分でやる遺品整理の7つの手順

遺品整理を始める前の分かれ道。相続放棄をするかもしれない、または迷っている場合は、まだ売らない・捨てない。しない場合は、書類を探す、きょうだいで方針、分ける・売る、粗大ごみ・家電の手配、残りだけ業者へ、の順に進める。
相続放棄を考えているかどうかで、最初の一歩が変わります
1

相続放棄をするかどうかを先に決める

上の注意のとおりです。借金の有無は、通帳の引き落としや郵便物で見当をつけ、必要なら信用情報機関に開示を請求します。判断がつくまでは、捨てる・売るは止めておきます。期限は相続手続きの期限一覧にまとめています。

2

13点を探す

仏壇、タンスの引き出し、金庫、机、本棚、押し入れの箱。書類は意外な場所に入っています。この段階では何も捨てません。見つけた書類は1か所にまとめ、箱に「捨てない」と書いておきます。

3

きょうだいで方針を決める

誰が何を引き取るか、いつまでに終えるか、費用をどう分けるか。ここを決めずに始めると、「勝手に捨てた」で揉めます。片付けが進まない理由と、きょうだいで動かす方法は実家の片付けが進まない3つの理由に書きました。

4

「残す・もらう・売る・手放す」に分ける

1部屋ずつ、物を4つに分けます。迷う物は写真を撮ってきょうだいに共有し、返事を待ってから決めます。写真・手紙・日記は、捨てたあとに欲しくなっても戻りません。最後まで残しておいてかまいません。

5

売れる物は先に売る

着物、食器、骨董、切手、古銭、貴金属、古いカメラ。見た目が古くても値が付くことがあります。売れば処分する量も減ります。まとめて一括で引き取ってもらう前に、価値がありそうな物は分けて査定に出します。

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遺品に多い着物・切手・古銭は、宅配や出張で査定してくれる買取業者があります。ひとつの例として、品目ごとに申し込める「バイセル」を挙げておきます。他社と比べてから決めてください。

訪問買取には法律上の保護があります。特定商取引法の「訪問購入」にあたるため、法律で定められた書面を受け取った日から8日間はクーリング・オフができます。またその期間内は、品物の引渡しを拒むことができます。その場で渡さなければならない、ということはありません。出典:消費者庁「訪問購入」

6

粗大ごみを予約し、家電は別に手配する

粗大ごみは申し込みから回収まで2週間以上かかる自治体もあります。分け始めたらすぐに予約します。エアコン・テレビ・冷蔵庫・洗濯機は粗大ごみに出せません。品目ごとの出し方は実家の物の捨て方一覧で調べられます。

清掃工場への持ち込み(自己搬入)を受け付けている市区町村もあります。車を出せるなら、収集を待つより早く片付きます。

7

残った分だけ業者に頼む

大型の家具や、どうしても運び出せない物だけを業者に頼むと、すべてを任せるより費用はかなり下がります。頼むときは、市区町村の「一般廃棄物処理業の許可」を持つ業者か確認してください。古物商の許可だけでは、家庭のごみは運べません。

出典:環境省「廃棄物の処分に『無許可』の回収業者を利用しないでください!」

自分でやる場合の費用

自分でやる場合、かかるのは主に処分の手数料と運ぶための費用です。人件費がかからない分、業者よりずっと安く済みます。

費目目安
粗大ごみの手数料1点あたり数百円〜数千円(大きさと自治体による)
家電4品目のリサイクル料金エアコン 550円〜9,900円、テレビ 1,320円〜3,700円、冷蔵庫・冷凍庫 3,740円〜6,149円、洗濯機・衣類乾燥機 2,530円〜3,300円。別に収集運搬料金
ごみ袋・段ボール・軍手など数千円
運ぶための車レンタカーの軽トラックなら半日〜1日で数千円〜1万円程度(店舗による)
実家までの交通費往復の運賃 × 通う回数

実家が遠い場合は、交通費がいちばん大きな費目になります。週末ごとに新幹線で通うなら、何往復かで業者に頼む費用と変わらなくなることもあります。通う回数を先に見積もってから、どこまで自分でやるかを決めてください。

家電リサイクル料金の出典:家電リサイクル券センター「家電リサイクル料金一覧」

自分でやるか、業者に頼むか

自分でやる業者に頼む
費用処分手数料と交通費が中心一戸建て3LDK〜4LDKで20万〜50万円が目安
時間週末ごとに通って数か月かかることも作業そのものは1〜2日で終わることが多い(目安)
大事な物自分の目で確かめながら進められる残す物を先に分けておかないと、誤って処分されるおそれ
向いている実家が近い、時間がある、物が少なめ実家が遠い、期限がある(賃貸の退去・売却の引渡し)

いちばん現実的なのは、探す・分ける・売るまでは自分たちで、運び出しだけ業者に頼むやり方です。業者の費用相場と選び方は遺品整理の費用相場と業者の選び方で詳しく書いています。

業者に頼むときの注意

国民生活センターには、遺品整理サービスの相談が2013年度の73件から2017年度の105件へと増えています。せかされて契約した、高額なキャンセル料を請求された、見積もりの2倍の追加料金を請求された、残すはずだった遺品を処分された、といった相談です。

国民生活センターは、複数の業者から見積もりを取ること、残しておく遺品と処分する遺品をはっきり分けておくことを勧めています。自分で「探す・分ける」まで済ませておけば、この2つのトラブルはぐっと防ぎやすくなります。

出典:国民生活センター「こんなはずじゃなかった!遺品整理サービスでの契約トラブル」(2018年7月19日)

スマホとパソコンは、最後まで解約しない

国民生活センターには、「故人のスマホが開けず、ネット銀行の契約先がわからない」「サブスクの請求を止めたいが、IDとパスワードがわからない」といった相談が寄せられています。

ネット銀行、ネット証券、コード決済、サブスクは、通帳も郵便物もないことが多く、スマホの中にしか手がかりがありません。携帯電話の解約や端末の初期化は、ほかの手続きが一通り終わってからにしてください。端末を処分するのは、写真を取り出し、契約を確認したあとです。

出典:国民生活センター「今から考えておきたい『デジタル終活』」(2024年11月20日)

きょうだいで分けるところまで、スマホで

「実家じまいノート」は、実家の物を撮って「残す・もらう・売る・手放す」に分けられるiPhoneアプリです。家族と共有して、誰が何を引き取るかを決められます。エアコン・テレビ・冷蔵庫・洗濯機には自動で家電リサイクルの印が付きます。無料で始められます。

App Storeで見る

よくある質問

遺品整理は自分でやってもいいですか

できます。家族が自分の家の物を片付け、自治体のルールに従って出すのに、特別な許可はいりません。ただし、相続放棄を考えている場合は、遺品を処分すると相続を承認したものとみなされるおそれがあります(民法921条)。判断がつくまでは処分しないでください。

相続放棄をするつもりですが、遺品整理をしてもいいですか

遺品を売ったり捨てたりすると、相続財産の「処分」にあたり、相続放棄ができなくなるおそれがあります。相続放棄は相続の開始を知ったときから3か月以内に家庭裁判所に申し立てます。何に手を付けてよいかは状況によるため、片付けを始める前に弁護士・司法書士に相談してください。

遺言書が見つからないときはどうすればいいですか

公正証書遺言は、全国の公証役場で検索できます。平成元年以降に作成されたものが対象で、検索は無料です。法務局に預けられた自筆証書遺言は、遺言書保管事実証明書を請求すると、保管されているかどうかがわかります。封がされた遺言書を見つけたときは開けずに、家庭裁判所で検認を受けてください。

親の借金があるかどうかは、どうやって調べますか

信用情報機関に、法定相続人として開示を請求できます。CICの場合、亡くなった方の開示は郵送で申し込みます。あわせて、通帳の引き落とし、郵便物、請求書から見当をつけます。借金が多い場合は相続放棄を検討するため、3か月の期限に注意してください。

自分で遺品整理をすると、費用はいくらかかりますか

主にかかるのは、粗大ごみの手数料、家電4品目のリサイクル料金と収集運搬料金、車を借りる費用、実家までの交通費です。人件費がかからない分、業者に頼むより安く済みますが、実家が遠い場合は交通費が大きくなります。業者に頼むと、一戸建て3LDK〜4LDKで20万〜50万円が目安です。

出典

2026年10月時点で公開されている情報をもとにしています。費用は目安で、地域・業者・物の量によって変わります。相続放棄や遺言についての判断は個別の事情によりますので、弁護士・司法書士にご相談ください。

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