実家を相続したら、相続税はかかる?
基礎控除の計算と早見表
最終更新:2026年9月27日
結論から言うと、ほとんどの人にはかかりません。令和6年分で亡くなった方は1,605,378人、そのうち相続税の申告があったのは166,730人。課税割合は10.4%です。
ただし、かかるかどうかでやるべきことが変わります。かかるなら10か月の申告期限に追われ、遺産分割を急ぐ必要があります。かからないなら、そこは気にせず片付けと名義変更に集中できます。最初に判定すべき分岐点です。
実家・預貯金・株式・保険金などの合計です。わからなければ、実家の評価額+預貯金でおおよそ入れてください。入力した内容はこの端末の中だけで計算しています。
かかるかどうかは、基礎控除だけで決まります
遺産の総額が基礎控除額以下なら、相続税はかかりません。申告も不要です。計算式はこれだけです。
3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数
| 法定相続人の数 | 基礎控除額 |
|---|---|
| 1人 | 3,600万円 |
| 2人 | 4,200万円 |
| 3人 | 4,800万円 |
| 4人 | 5,400万円 |
| 5人 | 6,000万円 |
| 6人 | 6,600万円 |
地方の実家(土地・建物で1,000万〜2,000万円)と、預貯金が数百万円。この組み合わせなら、基礎控除に届かないことがほとんどです。
法定相続人の数え方で、間違えやすいところ
基礎控除が人数で決まるので、ここを間違えると判定ごと狂います。
| 相続放棄した人 | 数に入ります。放棄がなかったものとして数えます。放棄すると基礎控除が減る、ということはありません |
|---|---|
| 養子 | 実子がいる場合は1人まで、実子がいない場合は2人までしか数に入りません |
| 子が先に亡くなっている | その子(孫)が代わりに相続人になります(代襲相続) |
| 子がいない場合 | 相続人は親、親もいなければ兄弟姉妹になります。人数が変わるので基礎控除も変わります |
実家の評価額は、固定資産税の額とは違います
土地だけ、別の物差しを使います
相続税で使う土地の評価額は路線価で計算します。固定資産税の納税通知書に載っている評価額ではありません。建物は固定資産税評価額がそのまま使えます(1.0倍)が、土地は別に調べる必要があります。
| 土地(路線価方式) | 路線価を土地の形状に応じて補正し、面積を掛けます。市街地はこちらです |
|---|---|
| 土地(倍率方式) | 路線価が定められていない地域では、固定資産税評価額 × 一定の倍率で計算します |
| 建物 | 固定資産税評価額 × 1.0。つまり同じ額です |
路線価と倍率は、国税庁の財産評価基準書で誰でも無料で見られます。住所から地図をたどって、その道路に付いた数字を読みます。単位は千円/㎡です。
上の計算ツールでおおよその判定をするだけなら、厳密な評価額までは不要です。基礎控除に対して明らかに下回るか、際どいかがわかれば十分です。際どい場合だけ、税理士に相談すれば足ります。
税額の計算(超えた場合)
基礎控除を超えたときの計算は、3段階です。ひとりの取得額にいきなり税率を掛けるのではありません。
- 遺産総額から基礎控除を引く(=課税遺産総額)
- それを法定相続分で分けたと仮定して、ひとりずつ税率を掛ける
- 全員分を合計する(=相続税の総額)
実際に誰がいくら払うかは、この総額を取得割合で割り振って決まります。
速算表
| 法定相続分に応ずる取得金額 | 税率 | 控除額 |
|---|---|---|
| 1,000万円以下 | 10% | — |
| 3,000万円以下 | 15% | 50万円 |
| 5,000万円以下 | 20% | 200万円 |
| 1億円以下 | 30% | 700万円 |
| 2億円以下 | 40% | 1,700万円 |
| 3億円以下 | 45% | 2,700万円 |
| 6億円以下 | 50% | 4,200万円 |
| 6億円超 | 55% | 7,200万円 |
配偶者がいると、多くの場合ゼロになります
配偶者が受け取った遺産には、次のどちらか多いほうまで相続税がかかりません。
- 1億6,000万円
- 配偶者の法定相続分に相当する額
親が亡くなり、母(または父)が健在という場合、母が実家を相続すれば相続税はほぼ出ません。
ただし、申告は必要です
この軽減は申告して初めて適用されます。「税額がゼロだから何もしなくていい」ではありません。申告書に戸籍謄本や遺産分割協議書の写しを添えて提出する必要があります。
さらに、申告期限までに遺産分割が確定していない財産は、この軽減の対象になりません。話し合いがまとまらないまま10か月を過ぎると、いったん軽減なしで納めることになります(「申告期限後3年以内の分割見込書」を出しておけば、あとから適用を受けられます)。
実家には、もうひとつ大きな特例があります
小規模宅地等の特例です。実家の土地の評価額を330㎡まで80%減らせます。2,000万円の土地が400万円として評価されるということです。
これを使うと基礎控除を下回る、というケースがかなりあります。親が老人ホームに入っていた場合でも、要介護認定などの条件を満たせば使えます。
条件と、使えなくなる落とし穴(実家を人に貸すと外れる)は、親が施設に入ったら、実家はどうするで詳しく書いています。
期限は10か月です
相続税の申告と納付は、亡くなったことを知った日の翌日から10か月以内です。ここまでに遺産分割をまとめる必要があります。
他の手続きの期限とあわせて確認したい場合は、相続手続きの期限一覧に亡くなった日を入れてください。まとめて計算します。
片付けと手続きを、きょうだいで
「実家じまいノート」は、実家の物を撮って「残す・もらう・売る・手放す」を分け、部屋ごとの片付け率と手続きの期限をまとめて管理できるiPhoneアプリです。担当とメモも残せます。無料で始められます。
App Storeで見るよくある質問
相続税はどのくらいの人にかかりますか
令和6年分では、亡くなった方1,605,378人に対して相続税の申告があったのは166,730人で、課税割合は10.4%でした。約9割の方にはかかっていません。
基礎控除以下なら申告も不要ですか
不要です。ただし、小規模宅地等の特例や配偶者の税額軽減を使った結果として基礎控除以下になる場合は、申告が必要です。特例は申告して初めて適用されるためです。
相続放棄した人がいると、基礎控除は減りますか
減りません。基礎控除の計算では、相続放棄がなかったものとして法定相続人の数を数えます。
実家の評価額は固定資産税の通知書の金額でいいですか
建物はそのまま使えます(固定資産税評価額×1.0)。土地は路線価方式または倍率方式で計算するため、固定資産税評価額とは異なります。路線価は国税庁の財産評価基準書で無料で調べられます。
母が全部相続すれば税金はかからないのですか
配偶者の税額軽減により、1億6,000万円または法定相続分のどちらか多い額まではかかりません。ただし申告は必要で、申告期限までに遺産分割が確定していることが条件です。なお、母が亡くなるときの二次相続では基礎控除が減るため、そこまで含めて考えたほうがよい場合があります。
出典
- 国税庁|No.4152 相続税の計算
- 国税庁|No.4155 相続税の税率
- 国税庁|No.4158 配偶者の税額の軽減
- 国税庁|No.4124 小規模宅地等の特例
- 国税庁|No.4602 土地家屋の評価
- 国税庁|財産評価基準書 路線価図・評価倍率表
- 国税庁|令和6年分 相続税の申告事績の概要(PDF)
このページの内容は、国税庁が公開している情報をもとにした一般的な目安です。計算ツールの結果は「特例を使う前」の概算であり、実際の税額は財産の評価方法・特例の適用・生前贈与・生命保険金の非課税枠などによって大きく変わります。判断は税務署または税理士にご確認ください。