実家じまいノート

実家を空き家のまま放置すると
固定資産税が6倍になります

最終更新:2026年9月26日

2023年12月13日から、「管理不全空家」という区分ができました。倒壊の危険まではなくても、窓が割れている、壁が傷んでいるといった状態で指定され、勧告を受けると固定資産税が6倍、都市計画税が3倍になります。

「とりあえず置いておこう」がいちばん高くつく、という状況に変わりました。

いくら増えるか

固定資産税1.4%・都市計画税0.3%(標準税率)で計算した概算です。実際の税額と税率は市区町村によって異なります。

2つの区分があります

管理不全空家特定空家
状態窓や壁が破損しているなど、放置すればいずれ特定空家になりそうな状態屋根材の飛散、著しい傾斜など、すでに危険が生じている状態
新設2023年12月13日から2015年から
勧告後住宅用地の特例が外れる(固定資産税6倍・都市計画税3倍)
その先—命令 → 行政代執行(解体費用を請求される)

改正前は「倒壊しそう」なレベルにならないと手が入りませんでした。いまはその一歩手前で指定されます。 昭和の木造家屋を数年放置すれば、十分に該当し得る水準です。

出典:全日本不動産協会「空き家の放置で税金が6倍⁉」(空家等対策の推進に関する特別措置法の改正)

指定されるまでの流れ

1
調査/市区町村が空き家の状態を確認します。近隣からの通報がきっかけになることが多いです
2
助言・指導/「改善してください」という連絡が来ます。ここで対応すれば何も起きません
3
勧告/改善されない場合。この時点で住宅用地の特例が外れることが決まります
4
翌年1月1日/勧告の状態が続いていると、その年から税額が上がります
5
命令・代執行(特定空家のみ)/行政が解体し、費用を所有者に請求します

通知は登記上の所有者に届きます。相続登記をしていないと、亡くなった親宛てに届いて誰も気づかないという事態が起きます。

税金以外のリスク

倒壊・落下で他人に損害を与えたら、所有者の責任です

瓦が落ちて通行人がけがをした、塀が倒れて隣家の車を壊した。こうした場合、土地工作物責任として所有者が賠償責任を負います。 空き家だから知らなかった、では通りません。

火災保険が使えないことがあります

住宅用の火災保険は「人が住んでいること」が前提です。空き家になると契約上の用途が変わり、そのままでは補償されない場合があります。 保険会社への連絡が必要です。

放火・不法投棄

人の出入りがない建物は狙われます。敷地にごみを捨てられた場合、処分するのは所有者です。

草木・害虫の苦情

いちばん多いのがこれです。隣家に枝が越境する、蜂の巣ができる、ねずみが出る。近隣からの通報が、そのまま市区町村の調査につながります。

最低限やること

手放す決断がつかない間も、これだけは続けてください。年に3〜4回、1回2時間ほどで足ります。

遠方で通えない場合は、空き家管理サービスがあります。月5,000円〜1万円程度で、巡回・換気・写真報告をしてくれます。固定資産税が6倍になることを考えれば、選択肢に入ります。

結局どうするか

売る

いちばん確実です。空き家の3,000万円特別控除が使えれば税負担も軽くなりますが、この特例は2027年12月31日で終わります。

→ 相続した実家を売るまでの流れと税金/→ 空き家の3,000万円特別控除

貸す

収入になりますが、修繕費がかかり、借主が入ると簡単には売れなくなります。立地が良い場合の選択肢です。

解体して土地として持つ・売る

建物のリスクは消えますが、更地にすると住宅用地の特例が外れるので、結局固定資産税は上がります。 売る目処が立ってから解体してください。

→ 解体費用を含めた実家じまいの総額

管理しながら持つ

思い出があって決められない、という場合。悪い選択ではありませんが、管理を続けることが条件です。放置と管理は別物です。

よくある質問

相続したけれど登記していません。通知は届きますか

登記上の所有者に届くので、亡くなった親宛てになります。実家が空き家なら誰も受け取れません。知らないうちに勧告まで進むおそれがあります。 相続登記は2024年4月から義務化されており、2024年3月31日以前の相続は2027年3月31日が期限です。

すでに指定されてしまいました。元に戻せますか

改善すれば解除されます。窓の破損を直す、庭木を切る、といった対応をして市区町村に連絡してください。勧告の前(助言・指導の段階)で動けば、税額は上がりません。

兄弟の共有名義です。誰が責任を負いますか

共有者全員です。1人が管理していても、賠償責任は持分に応じて全員にかかります。誰が管理するか、費用をどう分担するかを決めておいてください。

解体の補助金はありますか

老朽危険家屋の除却に補助を出している自治体があります。金額や条件は自治体ごとに違うので、実家のある市区町村に直接確認してください。

片付けと手続きを、きょうだいで

「実家じまいノート」は、実家の物を撮って「残す・もらう・売る・手放す」を分け、部屋ごとの片付け率と手続きの期限をまとめて管理できるiPhoneアプリです。無料で始められます。

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出典

税額は標準税率で計算した概算です。実際の税率・軽減措置・指定の運用は市区町村によって異なります。詳しくは実家のある市区町村にご確認ください。